TPOJ通信

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“猿”から始める狂言師への道

新年明けましておめでとうございます。
TPOJカスタマーサポートの佐藤です。

年明けの投稿は、毎年のことながら気が引き締まります。
初心忘るべからず———。この言葉を実践するのは難しいものですが、年頭というのは原点に戻る良いきっかけなのかもしれませんね。

このブログが先生のお役に立てるよう、そして楽しみにしていただけるよう、今年も一層の精進を重ねてまいります!
本年も末永くお付き合いいただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします!!


矢を入れて持ち歩く細長い筒のことを“靭(うつぼ)”と申します。
日本の伝統芸能・狂言には、これを題材とした演目があります。
そしてその演目には“靭”と並んでもう一つ、大きなモチーフが存在します。その題材こそが何あろう、今年の干支である“猿”です。

さて、2016年初の話題は申年にちなみ、小さな“猿”が登場する狂言の世界から始めたいと思います。

◆◇◆◇ 猿を演じる初舞台 ◆◇◆◇

「猿に始まり、狐に終わる」。これは狂言の家に伝わる言葉で、狂言師への修業の道を示すものなのだそうですね。

狂言の家に生まれた子供は2,3歳の頃から稽古を始め、6歳前後で正式な初舞台を踏むのが一般的とされていますが、この時演じることが多いのが『靭猿(うつぼざる)』という演目の猿の役。狂言師の修業が「猿に始まる」と言われるのは、これに端を発しています。

狂言
画像提供:東京国立博物館

ちなみに『靭猿』とは、ある大名が猿曳き(猿回し)の連れている猿を靭の皮にしようと所望するも、猿の無心な姿に胸を打たれ、その仰せつけを解くと、猿曳きがお礼に猿を舞わせたという内容の話。

ここに登場する猿の役で子方(子役)は初舞台を踏むわけですが、これには狂言で大切な要素がたくさん盛り込まれているといいます。
この役で子方は四つん這いで歩く、蚤を取るといった猿のしぐさを演じ、さらには歌や台詞に合わせて動くことや、タイミングを合わせて“キャー、キャー”という鳴き声を発することも求められるのだとか。

そうした役どころを担うことで、子方は狂言を演ずる者に必要な“物真似”や“リズム感”を身につけていくのだそうです。
とはいえ、小さな子供が厳しい稽古の末に、視界の狭い面をつけ40分に及ぶ舞台を務めあげるのがどれほど大変なことかは、察するに余りありますね。

一旦その道に入れば、たとえ幼子であろうと、師が肉親であろうと一切の甘えが許されない狂言の世界。
時代の流れに淘汰されることなく、今も生きた伝統として狂言が在るのは、そうした厳しさに支えられているのかもしれませんね。

この記事を書いた人

佐藤
佐藤
2009年入社。
マーケティングチームでライティング業務を担当しています。
浅草生まれの葛飾育ち!
下町エキスがたっぷりと染み込んだ江戸っ子です‼