セラミックブラケットが割れる理由
「セラミックブラケット割れるでしょ?だからいやなんだよね。」
先生は、セラミックブラケットの割れる原因をご存知でしょうか?
セラミックブラケットの割れる原因の多くは、ブラケットに入っている傷が原因なのです。
2年間近く口の中で使われるブラケット。その表面に細かい傷があると、長期間決して良好とは言えない口腔内の環境からかなりのダメージを受けることになります。
例えば、表面にあるのは小さな傷ですが、その傷に食べ物やブラッシングによるストレス、急激な温度変化による材質の収縮などなど、一つ一つは小さなものですが、それが表面の小さな傷にたいして働くと、長期間にはとても大きな力が働いていることになるのです。
当然、その小さな傷からセラミックブラケット本体が疲弊していきます。そして、その疲弊が頂点に達した時に・・・割れてしまうのです。
聡明な先生ならもうお気づきかもしれませんが、表面に傷がなければ割れない?もしくは、割れにくくなる?
その通りです。
表面に傷が少なければ、もしくはなければセラミックブラケットの強度は格段にアップします。
下のグラッフをご覧ください。
図1:セラミックブラケットを破損させるズレの力
では、その表面の原因とはどこにあるのでしょうか?
その原因は、既にセラミックブラケットがつくられた時にそのセラミックブラケット自体が持っているのです。
どういうことか?
それはそのセラミックブラケットがどのような方法でつくられたかによるということなのです。
そして、その作り方で表面の傷の有無、もしくは傷の量が決定されるということです。
製法による違い
セラミックブラケットの製法は大きく分けて二つです。
- 「削りだし製法」
- 「インジェクションモールド製法」
「削りだし製法」では、セラミック樹脂を削ってつくります。そのために表面に多くの傷が残ります。
先生に思いだして欲しいのですが、小学校の図工の時間につくった版画。あれは、きれいな表面の木材を彫刻刀で削ってつくりますよね。削るという作業は、ある意味表面に傷を残すことになります。目に見えなくても、削った表面はザラザラなのです。写真をご覧ください。
InVuにはそんなに傷がないですが、削りだし製法でつくった表面には多くの傷があることがわかります。ブラケットの表面が、版画版状態になっているのです。
それに対して「インジェクションモールド製法」は、削るのではなく、射出成形と呼ばれる「セラミック樹脂を溶かして金型で成形」してブラケット本体を形作るのです。金型でつくるので、表面はとてもきれいで実際には傷がほとんどない状態なのです。(セラミックブラケットの中には、表面がきれいそうに見えて実は傷だらけというものもありますのでご注意を)
だから、ブラケット本体に傷が入る要素を持っていないのです。
冒頭でも書きましたように、セラミックブラケットが割れる理由の大きなポイントはブラケット表面の傷です。
もしブラケット本体に傷がなかったら??
ブラケットが割れる可能性はとても小さくなります。
従来、ほとんどのセラミックブラケットは「削りだし製法」でつくられてきました。ということは、ほとんどのセラミックブラケットは表面に傷を持っているということです。でも、InVuは「インジェクションモールド製法」で作られています。それは表面に傷を持っていない、もしくは極端に少ないということなのです。
もうおわかりですよね?
だから、InVuは今までのセラミックブラケットよりも割れなくなってきているのです。